あなたは、両親や祖父母が、自分と同じ年齢のときに、どんな夢を抱き、何に楽しさや苦しさを感じながら、毎日どんな生活を送ってきたか、ご存知ですか?
こういった自分の祖先について知ることは、私たちの知的好奇心を満たしてくれます。
逆に、子、孫をもつ方々にとっては、これまでの自分の人生について、単なる思い出から教訓めいたことまで、子孫に伝えることができるとしたら、それは一種の喜びに感じられるのではないでしょうか。
あなたの仲の良いご友人や会社の同僚の方々についてはどうでしょう。なんでも分かりあっている間柄でも、意外と知らないことがたくさんあるもので、生い立ちのルーツを知ると、より親近感が湧き、関係性が深まることでしょう。
自叙伝は、人に自慢ができるような人生を歩んだ人だけが書く資格を与えられているように考えられがちです。しかし、自分の人生は、親族や友人、またビジネスパートナーにとっても大変価値があり、知るに値するもの。
ぜひあなたの人生を記録し、形にしましょう。
わたしは生命保険の商品開発をしていたこともあって、よく周囲の方の保険の相談に乗っていました。
生命保険とは、自分にもしものことがあった時に、大切な家族にお金を遺す仕組みのことを言いますが、保険の相談に乗る過程で実感したのは残された家族にとって大切なのが、お金だけではなく、その人の人生の記録ではないかということ。
これまでどう生きてきたのか、何を生きがいに感じてきたのか、何が楽しくて、悲しくて、嬉しくて、つらくて、といった人生の道のりを形にした自叙伝は、自分を育ててくれた両親に喜ばれ、また将来、子どもや孫にもかけがえのない宝物になるものだと考えています。
中原 洋(なかはら よう)
1990年生まれ。2014年 東京大学工学部 卒業。
約4年間、アクチュアリーとして生命保険会社の商品開発に従事。約1年の海外生活を経て、自叙伝作成サービスを開始。